見知らぬ女からの手紙
アジア最大の映画祭「東京国際映画祭」が開幕しましたね。この映画祭ではアジア映画も数多く上映されるので、会場に行きたいのは山×2なんですけど、この時期日本に帰ることがないエイジアンナビゲーターは、もっぱらテレビのニュースで見ているだけです・・・(笑)最近、かねてから見たいと思っていた『一個陌生女人的来信(邦題:見知らぬ女からの手紙)』を、遅ればせながらDVDで観賞しました。この映画は、2年前の東京国際映画祭「アジアの風」部門で上映された作品です。世の殿方には、ちょっと “痛い映画” かもしれません。
映画は、まだ北京が北平と呼ばれていた1930年から、新中国建国直前の
1948年にかけての時代背景で描かれています。
ある作家が41歳の誕生日を迎えた夜、見知らぬ女性から手紙が届きます。
すでに、この世にいない女性からの手紙は「私の息子は昨日亡くなりました」という言葉で
書き出されていました。
手紙には、この女性が作家の男性を半世紀にわたって愛し続けた事実が告白されて
いるのですが、男性は女性を覚えていない・・・・・・・。
次第に明らかにされる過去。
淡々と映画は進み、淡々と終劇を迎えますが、見終わるとまるで雪が積もったように
心の中が真っ白くなるような感覚でした。
日本人が音楽を担当していて、哀愁のあるメロディーが物語を一層切なくさせます。
原作はステファン・ツヴァイク著『未知の女からの手紙』で、
1950年代にはハリウッドでも映画化されているそうです。
監督で主演をこなした徐 静蕾(シュウ・ジンレイ)は、10年以上前にこの本を読み、
いずれは自分の手で映画を撮りたいと、企画を温めてきたと聞きました。
あるインタビューで彼女は「10年前は、悪い男を愛したために棄てられる女性が
かわいそうに思ったが、今もう一度読み返すと、実はかわいそうなのは男性の方では
ないかと感じた」、「恋は叶わないが、強く生きていく女性を描いてみたいと思った」と
語っていました。
映画を見終わったあと、ふとDVDのパッケージを見ると・・・
「男人的一夜 女人的一生」
漢字の国である日本の皆さんは、どういう意味だかわかりますよね。
「男の一夜は、女の一生」「男にとっては一夜の遊び、女にとっては一生を背負うもの」
という感じのメッセージでしょう。
いやいや、男性にとっても、女性にとっても痛い一言だわ。
そもそも、人間長く生きていれば人には言わずに墓場まで持っていく秘密の一つや二つ
あるかもしれません。
まして、普通は叶わぬ相手に恩着せがましく「アタシはあなたをずっと想ってた」なんて
言いませんもんなぁ(笑)
告白するってのは、相当な覚悟。(と・・・思う 汗)
まぁ、中には「こんなこと今頃言われても・・・」とか「そんなコト、女の視点だ」
「オレは、こんなバカ男とは違う」なぁ~んていう意見の殿方もいるでしょう。
アナタの元に、見知らぬ女(知ってる女もありえますよね)から手紙が届いた経験は・・・・・。
この映画、見る人の人生観や、恋愛経験で、受け止め方が違ってくる作品の代表格のようなものですよ。
2006東京国際映画祭公式サイト
http://www.tiff-jp.net/ja/
2004年の東京国際映画祭に関してはこちらをどうぞ
http://www.walkerplus.com/movie/special/tiff2004/
徐 静蕾(シュウ・ジンレイ)
北京生まれ。北京電影学院表演系本科卒業。
スクリーンデビューは99年に日本でも公開された「スパイシー・ラブスープ(97年)」。
周迅(ジョウ・シュン)、趙薇(ヴィッキー・チャオ)、章子怡(チャン・ツィイー)と並んで
中国若手4大女優といわれている。
監督デビュー作「私とパパ(03年)」で注目を集め、「見知らぬ女からの手紙(04年)」が
監督2作目。
女優としても、監督としても、優れた才能を発揮している。

この記事へのコメント
恋は叶わないが、強く生きていく女性というのが、なんともアジア女性らしい謙虚さですね。
最近は随分変わってきているようですが・・・(汗)
映画を監督し、主人公も演じた徐静蕾(シュウ・ジンレイ)の、目の演技が良かったですよ。主人公が作家と再会したシーンでは、彼女を覚えていない作家が何も知らず「僕らきっと以前から縁があるんだよ」というような、おバカなセリフを言うのですが、そのときの徐静蕾の目が「何今ごろ言ってんだよ 怒」という感情と、「そんなアンタだけど簡単には切れないアタシ・・・」という感情が、目にストレートに出ていて、こういう風に見られた男は哀れだなと感じました。
世の殿方の皆さま、ごめんなさい。責める気も、悪気もありません(笑)